バスケのポイントガードって知ってますか?
ゴールに向かって走り込む選手たちをさばきながら、次の展開を2〜3手先まで読んで動くポジション。
コートに立ちながら、同時に「監督の目線」を持つ人。
「料理人1年目で、こんな視点が持てたら最高だろうな」
入って半年後、先輩に怒鳴られながら私はそう思っていました。
この記事では、私が1年目に死ぬほど悩んだ「段取り・立ち回り・先輩の頭の中」について、実体験をもとに書いていきます。
① 段取りが全て——「手が空いたから動く」は一番危ない
入りたてのころ、私は「手が空いたら動け」という言葉を信じていました。
教科書にも書いてあるし、先輩も口では言う。
でも実際のピーク時間帯は違いました。
「動くな! 頭で考えて動け!」
鍋を持って移動しようとした瞬間、先輩に怒鳴られました。
手が空いた。動こうとした。それだけなのに。
翌日、また同じ時間帯に動かずにいたら、今度は別の先輩に「なんで突っ立ってんの?」と言われました。
(どっちなんだよ……)
答えは、どっちでもない。
「頭の中で次の仕事が見えている状態で、必要なタイミングに動く」——それだけだったんです。
でも当時の私には、「次の仕事」が見えていなかった。
仕事終わり、料理長がポツリと言ったんです。
「お前、なんで動いたか分かるか? 邪魔だったからだ。なんで動かなかったか分かるか? 頭の中に仕事がなかったからだ。」
怒鳴り声じゃなかった。静かな声で。
それが逆に刺さりました。
そこから私が実践したのが、A4用紙1枚の4分割システムです。
最初は書くのが面倒でした。
でも1週間続けたら、ピーク中に「あ、次は○○だ」が自然に出てくるようになった。
「手が空いたら動く」より、「次が見えてるから、ちょうどいいタイミングで動ける」——これが段取りの正体です。
② 先輩の頭の中を読む——「言われる前に動く」のウソ
「言われる前に動け」とよく言われます。
でもこれ、1年目には少し危険な言葉だと思っています。
なぜか?
「言われる前に動く」を誤解すると、先輩が意図していない動きを先回りでやってしまうから。
私がそれをやりました。
先輩が次に使うだろうと思って、ソースを作り始めた。
「俺はそれ今日作らないんだけど」と言われました。(めちゃくちゃ気まずかった)
「言われる前に動く」の本当の意味は、「先輩の頭の中にある優先順位と、自分の動きを合わせること」です。
そのための最強ツールが、報連相の「一言確認」。
聞くのが怖い、と思う人もいると思います。
私もそうでした。「そんなことも分からないのか」と思われそうで。
でも実際は逆でした。
先輩が一番困るのは、確認なしに間違った方向へ進まれること。
「聞いてくれた方がずっといい」と言う先輩がほとんどです。
③ 仕事終わりの5分——ここに宝が埋まっている
料理長は、仕事中はほぼ怒鳴らない人でした。(よく見ていたけど)
でも仕事終わりに、必ず私のそばに来て話しかけてくれた。
「今日のあの動き、こうしたらよかったな。」
「あのタイミングで〇〇するのは、こういう理由がある。」
感情ゼロ、情報100%。
最初は「また言われた……」とへこんでいました。
でもあるとき気づいた。
この5分が、一番「先輩の頭の中」を教えてもらえる時間だ、と。
それからは、仕事終わりの会話を「授業」だと思って聞くようにしました。
メモも取るようにした。(最初は「なんでメモ取ってんの?」と笑われたけど、そのうち何も言われなくなった)
1年目にできることって、正直少ない。
でも「学ぶ姿勢を見せること」は、1年目でも今日からできる。
それだけで、先輩の教え方が変わってきます。(ほんとに)
まとめ——ポイントガードの話、覚えてますか?
冒頭でバスケのポイントガードの話をしました。
コートに立ちながら、2〜3手先を読んで、味方の動きを把握して、最適なタイミングでパスを出す人。
料理人1年目に求められているのって、これに近いんだと思います。
全員みたいにシュートを決める必要はない。
「次が見えている」「先輩の意図を読んでいる」「学ぼうとしている」
この3つを持っているだけで、1年目としてのあなたの価値は全然違う。
1年目に全部完璧にできなくていい。
でも、この3つを意識しているだけで「成長が速い子」って見られ方が変わります。
あなたの1年目が、少しでも楽になりますように。
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