ツッチー

1年目が知らなかった話

激安から高級まで、実は「同じ工場」というPB商品のからくり

スーパーの棚を思い浮かべてほしい。片方には有名メーカーのロゴが輝く人気商品、もう片方にはその半額近い、素っ気ないパッケージのPB(プライベートブランド)商品が並んでいる。味を比べてみたら、驚くほど似ている——そんな経験をしたことはないだろう...
料理と言語

【命名の謎】「時雨煮」はなぜ「時雨」なのか——蛤の佃煮に俳人が見立てた、通り雨の一瞬

生姜がぴりっと効いた佃煮「時雨煮(しぐれに)」。この名前を考えたのは、料理人ではなく、松尾芭蕉の弟子だった俳人だと言われている。桑名の蛤と佃煮の始まり三重県桑名市は、江戸と京都を結ぶ東海道の宿場町(旅人が泊まる宿が並ぶ町)として栄えた。伊勢...
1年目が知らなかった話

スイカと塩の甘さの正体、実は脳の錯覚

夏になると必ず出てくる話題がある。「スイカに塩をかけると甘くなる」——これ、本当だと思いますか?結論から言うと、糖度計で測っても数値は1ミリグラムも変わりません。塩をかけた瞬間にスイカの糖分が増えるわけではないのに、多くの人が「甘くなった」...
料理と言語

【命名の謎】「はんぺん」はなぜ「はんぺん」なのか——名前が”椅子取りゲーム”のように移動した練り物の謎

「はんぺん」というひらがなの言葉。実はこれ、最初は今のはんぺんを指す名前ではなかった。江戸時代より前の文献にすでに登場する「はんぺん」は、まったく別の食べ物を指していた。その正体を辿ると、日本語の食べ物の名前が玉突き――一つがずれると次々に...
料理科学ノート

コーヒーの抽出温度で味が変わる科学——苦味・酸味・雑味のメカニズム

忙しい開店前、まかない用にコーヒーをドリップしていたら、いつもより苦くて渋い一杯になってしまったことがある。豆も挽き方も変えていないのに、味だけがまるで別物だった。原因はお湯の温度だった。コーヒーの味は、実はたった数度の温度差で劇的に変わる...
料理科学ノート

白身魚と赤身魚で加熱時間が違う理由——ミオグロビン量と筋繊維構造の科学

「先輩、同じ厚さなのに、なんでこの魚は生っぽくて、こっちはパサパサになるんですか」——新人の頃、鯛の切り身とマグロの切り身を同じ火加減で焼いて、見事に失敗した記憶があります。実は白身魚と赤身魚は、見た目の色が違うだけでなく、筋肉そのものの成...
料理科学ノート

りんごが変色する科学——ポリフェノールオキシダーゼと酵素的褐変

切ったりんごをまな板に置いたまま少し目を離すと、あっという間に断面が茶色くなっている。あれは「傷んでいる」わけでも「腐り始めている」わけでもありません。りんご自身が持つ酵素が起こす、れっきとした化学反応です。今日はこの「酵素的褐変」のしくみ...
料理と言語

【命名の謎】「卯の花」はなぜ「おから」の別名なのか——花の見立てと”忌み言葉”が生んだ呼び名

精進料理店の品書きに「卯の花」と書かれているのを見たことがあるだろうか。注文して出てきたのは、白くほろほろとした、見慣れたあの副菜だった。卯の花——それは、豆腐屋で毎日大量に出る「おから」の、もう一つの名前だ。🌼 今回のテーマおからを「卯の...
1年目が知らなかった話

レタスが変色するかどうかは、切り方ひとつで決まる

同じレタスを、同じ日に、同じ冷蔵庫に入れておいたとする。片方は包丁でスパッと切り、もう片方は手でちぎっただけ。翌日開けてみると、切った方だけ切り口が茶色く、あるいは赤茶色っぽく変色していて、ちぎった方はまだ白いまま——ということが実際に起こ...
料理と言語

【命名の謎】「福神漬け」はなぜ「福神」なのか——名付けたのは料理人ではなく戯作者だった

カレーライスの脇に、いつも添えられているあの赤い漬物。「福神漬け」と呼ぶが、なぜ「福の神」なのか考えたことはあるだろうか。実はこの名前、漬物職人がつけたのではない。江戸から明治にかけて活躍した戯作者が、洒落っ気たっぷりに名付けたものだった。...