料理人年目で知っておきたかったこと選【現場で生き残るための基本】

バスケのポイントガードって知ってますか?

ゴールに向かって走り込む選手たちをさばきながら、次の展開を2〜3手先まで読んで動くポジション。

コートに立ちながら、同時に「監督の目線」を持つ人。

「料理人1年目で、こんな視点が持てたら最高だろうな」

入って半年後、先輩に怒鳴られながら私はそう思っていました。

この記事では、私が1年目に死ぬほど悩んだ「段取り・立ち回り・先輩の頭の中」について、実体験をもとに書いていきます。


① 段取りが全て——「手が空いたから動く」は一番危ない

入りたてのころ、私は「手が空いたら動け」という言葉を信じていました。

教科書にも書いてあるし、先輩も口では言う。

でも実際のピーク時間帯は違いました。

動くな! 頭で考えて動け!

鍋を持って移動しようとした瞬間、先輩に怒鳴られました。

手が空いた。動こうとした。それだけなのに。

翌日、また同じ時間帯に動かずにいたら、今度は別の先輩に「なんで突っ立ってんの?」と言われました。

(どっちなんだよ……)

答えは、どっちでもない。

「頭の中で次の仕事が見えている状態で、必要なタイミングに動く」——それだけだったんです。

でも当時の私には、「次の仕事」が見えていなかった。

仕事終わり、料理長がポツリと言ったんです。

「お前、なんで動いたか分かるか? 邪魔だったからだ。なんで動かなかったか分かるか? 頭の中に仕事がなかったからだ。」

怒鳴り声じゃなかった。静かな声で。

それが逆に刺さりました。

そこから私が実践したのが、A4用紙1枚の4分割システムです。

📋 A4用紙4分割・段取り管理術
【左上】絶対やること(今日中に終わらせる仕込み)
【左下】時間がかかる仕込み(昆布だし・煮込みなど、仕掛けておくもの)
【右上】雑務(補充・清掃・確認など)
【右下】フリースペース(気づいたことメモ・先輩に言われたこと)

出勤したら5分でこれを書く。それだけで「次の仕事」が頭に入る。

最初は書くのが面倒でした。

でも1週間続けたら、ピーク中に「あ、次は○○だ」が自然に出てくるようになった。

「手が空いたら動く」より、「次が見えてるから、ちょうどいいタイミングで動ける」——これが段取りの正体です。


② 先輩の頭の中を読む——「言われる前に動く」のウソ

「言われる前に動け」とよく言われます。

でもこれ、1年目には少し危険な言葉だと思っています。

なぜか?

「言われる前に動く」を誤解すると、先輩が意図していない動きを先回りでやってしまうから。

私がそれをやりました。

先輩が次に使うだろうと思って、ソースを作り始めた。

「俺はそれ今日作らないんだけど」と言われました。(めちゃくちゃ気まずかった)

「言われる前に動く」の本当の意味は、「先輩の頭の中にある優先順位と、自分の動きを合わせること」です。

そのための最強ツールが、報連相の「一言確認」

💬 先輩の頭の中を確認する一言
「次、〇〇やっておきましょうか?」
「〇〇は今日いりますか?」
「今どっちが優先ですか?」

この一言が、余計な動きを防いでくれる。

聞くのが怖い、と思う人もいると思います。

私もそうでした。「そんなことも分からないのか」と思われそうで。

でも実際は逆でした。

先輩が一番困るのは、確認なしに間違った方向へ進まれること

「聞いてくれた方がずっといい」と言う先輩がほとんどです。


③ 仕事終わりの5分——ここに宝が埋まっている

料理長は、仕事中はほぼ怒鳴らない人でした。(よく見ていたけど)

でも仕事終わりに、必ず私のそばに来て話しかけてくれた。

「今日のあの動き、こうしたらよかったな。」

「あのタイミングで〇〇するのは、こういう理由がある。」

感情ゼロ、情報100%。

最初は「また言われた……」とへこんでいました。

でもあるとき気づいた。

この5分が、一番「先輩の頭の中」を教えてもらえる時間だ、と。

それからは、仕事終わりの会話を「授業」だと思って聞くようにしました。

メモも取るようにした。(最初は「なんでメモ取ってんの?」と笑われたけど、そのうち何も言われなくなった)

1年目にできることって、正直少ない。

でも「学ぶ姿勢を見せること」は、1年目でも今日からできる

それだけで、先輩の教え方が変わってきます。(ほんとに)


まとめ——ポイントガードの話、覚えてますか?

冒頭でバスケのポイントガードの話をしました。

コートに立ちながら、2〜3手先を読んで、味方の動きを把握して、最適なタイミングでパスを出す人。

料理人1年目に求められているのって、これに近いんだと思います。

全員みたいにシュートを決める必要はない。

「次が見えている」「先輩の意図を読んでいる」「学ぼうとしている」

この3つを持っているだけで、1年目としてのあなたの価値は全然違う。

✅ 今日から使える3つのポイント
出勤したらA4用紙に今日の仕事を4分割で書く(段取りが頭に入る)
「次、〇〇やっておきましょうか?」と先輩に確認する(余計な動きが消える)
仕事終わりの先輩の言葉をメモする(先輩の頭の中が蓄積される)

1年目に全部完璧にできなくていい。

でも、この3つを意識しているだけで「成長が速い子」って見られ方が変わります。

あなたの1年目が、少しでも楽になりますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました