ツッチー

料理と言語

【命名の謎】「有馬煮」はなぜ「有馬」なのか——温泉地の山椒が、煮物の名前になった理由

兵庫県神戸市、有馬温泉。「日本三古湯」——道後温泉・白浜温泉と並び、日本最古とされる三つの温泉地のひとつに数えられる名湯だ。だが、この地名には温泉だけでなく、もうひとつの顔がある。日本料理の調理法の名前として、今なお厨房で使われ続けているの...
1年目が知らなかった話

コンビニの新商品は、1年で7割が入れ替わる——短命な理由とは

コンビニの新商品コーナー、行くたびに違う顔ぶれになっていると思ったことはないだろうか。先週見かけたあのカップ麺、もう棚にない。そんな経験、実は勘違いではない。ここでクイズを一つ。コンビニで売られている新商品のうち、発売から1年後も棚に残って...
料理科学ノート

熟成肉(ドライエイジング)はなぜ旨くなるのか——酵素分解と乾燥凝縮が生む極上のうま味

高級ステーキハウスのメニューで「熟成肉」の一皿だけが、他の何倍もの値段で並んでいるのを見たことはありませんか。表面が黒っぽく乾いていて、正直「これ本当に美味しいの?」と思ってしまうような見た目なのに、口に運んだ瞬間、驚くほど濃いうま味と香り...
料理と言語

【命名の謎】「ちゃんちゃん焼き」はなぜ「ちゃんちゃん」なのか——漁師のまかないに眠る六つの説

昭和のはじめ、北海道・石狩の浜。漁師たちは、切り開いたドラム缶を鉄板がわりにして、獲れたての鮭をその場で焼いていた。それが、今も全国の食卓に並ぶ「ちゃんちゃん焼き」の始まりだったという。だが、なぜ「ちゃんちゃん」なのか。実はこの名前、由来が...
料理科学ノート

豚骨スープが白く濁る理由——乳化と骨髄脂肪の科学

家で豚骨スープを再現しようと、骨を何時間も煮込んだのに、透き通ったスープにしかならなかった——そんな経験がある人は多いのではないだろうか。実はあの白濁、骨や肉から染み出した「だし」の色そのものではない。骨髄の脂肪と水が出会うことで起きる、あ...
1年目が知らなかった話

かんぴょうの99%以上は、栃木県の一角だけで作られている

巻き寿司の具材の中で、いちばん名脇役なのに正体を知られていないもの——それは「かんぴょう」ではないだろうか。あの甘辛く煮た茶色い帯状の具、どこで作られているか考えたことはあるだろうか。答えを先に言ってしまうと、日本国内で「国産」として流通し...
1年目が知らなかった話

柿の種にピーナッツが入っているのは、金型を踏みつぶした事故がきっかけだった

新潟のとある小さな米菓工場。大正時代のある日、店の主人がうっかり作業台に置いてあった金型を踏んでしまった。それは丸い小粒あられを抜くための、大事な抜き型だった。金型は無残に歪み、真ん丸だったはずの穴は楕円形につぶれてしまった。普通なら「使い...
料理と言語

【符丁・隠語】板前の「あにき」「おとうと」——調理場だけで通じる仲間言葉の世界

「アニキ、まだ早いよ」忙しい厨房でそう声が飛んだら、それは兄弟げんかの話ではない。飛び交っているのは、食材の名前だ。🍳 今回のテーマ調理場だけで通じる「アニキ」「オトウト」——人間関係の言葉が、なぜ食材の呼び名になったのか。「アニキ」「オト...
料理科学ノート

かつおのたたきはなぜ表面だけ炙るのか——温度差が生む香りと食感の科学

厨房でかつおのたたきを仕込むとき、表面をあぶった瞬間に立ち上る香ばしい匂いに、思わず手を止めてしまうことがある。あの一瞬の炎が、実は単なる香り付け以上の仕事をしていることを知っている人は意外と少ない。今回は、かつおのたたきがなぜ表面だけを強...
料理科学ノート

コロッケの中がまだ冷たいのはなぜ——衣と具材の熱の伝わり方の科学

揚げたてのコロッケを割ったら、衣はきつね色にカリッと揚がっているのに、中のじゃがいもがまだひんやりしていた——そんな経験はないだろうか。焦って提供して、お客さんに「中が冷たい」と言われてしまった苦い思い出がある人も多いはずだ。これは腕が悪い...