寿司を二皿食べたことを英語で言うとき、”two sushis”と言うでしょうか。
実際には”some sushi”や”a lot of sushi”のように、sをつけない形が普通です。
同じことは、sake(日本酒)やtempura(天ぷら)にも言えます。
日本語の名詞には、もともと複数形がない
日本語では「寿司」は一貫でも十貫でも形が変わりません。数は「三貫」「二匹」のように、数詞のあとに助数詞(貫・匹・本など、数えるときにつける言葉)を添えて示します。
複数を表す「たち」「ら」といった言葉もありますが、おもに人や生き物に使うもので、つけなくても文は成立します。
「人々」「山々」のように語を重ねる方法もありますが、これも一部の語に限られます。
一方、英語はcatとcatsのように、名詞そのものの形を変えて数を表します。
💬 言語的な視点で見ると
日本語の名詞は、単数か複数かを区別しない形のまま使われます。その形がそのまま英語に入ったため、単数とも複数ともつかない語として定着した、と説明されることがあります。
sushiは「数えない食べ物」として英語に入った
英語の辞書では、sushiは不可算名詞(waterやriceのように、一つ二つと数えない名詞)として扱われるのが一般的です。
“a plate of sushi”(寿司一皿)のように、量を示す言葉を添えて使います。
riceやpastaなど、英語では食べ物の名前を数えない名詞として扱うことが多く、sushiもその仲間に入りました。
数えたいときは”a piece of sushi”や”a sushi roll”と言います。この”piece”の働きは、日本語の助数詞「貫」にどこか似ています。
なお、sushisという形がまったく使われないわけではなく、寿司の種類を数えるときなどに見られることもあります。
🍣 豆知識
英語圏の寿司店のメニューでも、nigiri(握り)、maki(巻き物)、sashimi(刺身)は、複数でもsをつけずに書かれることが多いです。
sakeとtempuraも、同じ道をたどった
sakeも”two sake”のように、そのままの形で使われることが多い言葉です。ただし”sakes”という形も実際には使われ、揺れがあります。
tempuraは、料理全体を指す不可算名詞として使われます。語源にはポルトガル語由来とする説が有力ですが、諸説あります。
飲み物や料理の名前は、「一つ、二つ」と数える個体ではなく、ひとまとまりの量として捉えられやすい性質があります。
複数形をつけるかどうかは、実は揺れている
日本語由来の言葉にsをつけるかどうかは、決まった規則ではなく、慣用(みんなが実際にそう使っている習慣)で決まります。
たとえばemoji(絵文字)は、emojiもemojisも普通に使われています。
つまり「日本語だからsをつけない」という法則があるわけではありません。語ごとに、英語の中で使われ方が固まっていくのです。
📝 まとめ
sushiにsがつきにくいのは、日本語に複数形がないことと、食べ物の名前を数えない英語の習慣が重なった結果と考えられます。ただし絶対の規則ではなく、語ごとの慣用で決まります。



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