料理科学ノート 白身魚と赤身魚で加熱時間が違う理由——ミオグロビン量と筋繊維構造の科学 「先輩、同じ厚さなのに、なんでこの魚は生っぽくて、こっちはパサパサになるんですか」——新人の頃、鯛の切り身とマグロの切り身を同じ火加減で焼いて、見事に失敗した記憶があります。実は白身魚と赤身魚は、見た目の色が違うだけでなく、筋肉そのものの成... 2026.08.08 料理科学ノート
料理科学ノート りんごが変色する科学——ポリフェノールオキシダーゼと酵素的褐変 切ったりんごをまな板に置いたまま少し目を離すと、あっという間に断面が茶色くなっている。あれは「傷んでいる」わけでも「腐り始めている」わけでもありません。りんご自身が持つ酵素が起こす、れっきとした化学反応です。今日はこの「酵素的褐変」のしくみ... 2026.08.08 料理科学ノート
料理と言語 【命名の謎】「卯の花」はなぜ「おから」の別名なのか——花の見立てと”忌み言葉”が生んだ呼び名 精進料理店の品書きに「卯の花」と書かれているのを見たことがあるだろうか。注文して出てきたのは、白くほろほろとした、見慣れたあの副菜だった。卯の花——それは、豆腐屋で毎日大量に出る「おから」の、もう一つの名前だ。🌼 今回のテーマおからを「卯の... 2026.08.08 料理と言語
1年目が知らなかった話 レタスが変色するかどうかは、切り方ひとつで決まる 同じレタスを、同じ日に、同じ冷蔵庫に入れておいたとする。片方は包丁でスパッと切り、もう片方は手でちぎっただけ。翌日開けてみると、切った方だけ切り口が茶色く、あるいは赤茶色っぽく変色していて、ちぎった方はまだ白いまま——ということが実際に起こ... 2026.08.08 1年目が知らなかった話
料理と言語 【命名の謎】「福神漬け」はなぜ「福神」なのか——名付けたのは料理人ではなく戯作者だった カレーライスの脇に、いつも添えられているあの赤い漬物。「福神漬け」と呼ぶが、なぜ「福の神」なのか考えたことはあるだろうか。実はこの名前、漬物職人がつけたのではない。江戸から明治にかけて活躍した戯作者が、洒落っ気たっぷりに名付けたものだった。... 2026.08.07 料理と言語
1年目が知らなかった話 パクチーが苦手なのは、遺伝子に原因があるらしい 「パクチーは石鹸の味がする」——そう言われて、思わず頷いてしまったことはないだろうか。あの独特の香りを、爽やかな柑橘みたいだと言う人がいる一方で、洗剤そのものだ、虫みたいな匂いがすると言う人もいる。好き嫌いがここまではっきり分かれる食材も珍... 2026.08.07 1年目が知らなかった話
料理科学ノート アイスクリームがなめらかになる理由——オーバーランと氷結晶抑制の科学 厨房でアイスを仕込んでいたとき、冷凍庫でただ固めただけのものを味見して「あれ、なんかシャリシャリする」と感じたことがある。同じ材料なのに、専門店のアイスはあんなに舌の上でとろける。何が違うのか。答えは「氷の結晶の大きさ」と「どれだけ空気を含... 2026.08.06 料理科学ノート
1年目が知らなかった話 和牛の霜降りは日本だけの美学——世界は赤身信仰 「霜降りが多いほど、いい肉」——そう信じているとしたら、それは日本だけの価値観かもしれない。アメリカでもフランスでも、アルゼンチンでも、脂がびっしり入った肉は「安っぽい」「胃にもたれる」とすら思われることがある。日本で最高級とされるA5和牛... 2026.08.06 1年目が知らなかった話
料理と言語 【命名の謎】「船場汁」はなぜ「船場」なのか——丁稚どんの忙しい食卓が生んだ、大阪商人町の一杯 熱い汁と飯を、無我夢中でかき込む少年がいた。大正時代、大阪・船場の薬問屋で丁稚奉公(でっちぼうこう)をしていた一人の少年は、背が低く、食べるのが人より遅かった。ゆっくり噛んでいては、決められた時間内に十分な量を口にできない。そこで彼が編み出... 2026.08.06 料理と言語
料理科学ノート すり身が「ぷりぷり」になる科学——魚肉のミオシンとゲル化の秘密 かまぼこ、はんぺん、さつま揚げ、エビしんじょ——白身魚のすり身料理には、刺身や切り身では絶対に出せない独特の「ぷりぷり」とした弾力がある。実はこの食感、魚肉をただすりつぶしただけでは生まれない。塩を加えて練るという、一見単純な工程の裏に、タ... 2026.08.05 料理科学ノート