ツッチー

料理科学ノート

チョコレートのテンパリングの科学(脂肪結晶の多形)

チョコレートを溶かして固めたのに、表面が白っぽくなって艶がない——「ブルーム(bloom)」と呼ばれるこの現象は、テンパリングを正確に行わなかったときに起きます。テンパリングとは、チョコレート中のカカオバターを特定の結晶構造(V型結晶)に整...
1年目が知らなかった話

汽車の窓から納豆を売ったら「本場」になった話

「水戸といえば納豆」——この常識、みんな疑いもなく受け入れているよね。でも待ってほしい。なんで茨城・水戸が納豆の「本場」になったんだろう?水戸の土が特別なの?水戸の大豆が特別なの?それとも水戸黄門が広めたとか?実はこれ、答えは「汽車の窓」に...
料理科学ノート

塩水に漬けると肉が変わるブライニングの科学

「鶏肉を塩水に漬けると焼いてもパサつかない」——ブライニング(塩水漬け)は欧米の料理人が広く使う下処理技法で、特にパサつきやすい鶏むね肉・七面鳥・白身魚に対して劇的な効果があります。なぜ塩水に漬けると肉汁が保持されジューシーになるのか?その...
料理科学ノート

チーズの熟成で旨味が増す理由——プロテアーゼと遊離アミノ酸の科学

パルメザンチーズやコンテを食べると、深い旨味と複雑な風味を感じますが、同じ牛乳から作ったフレッシュチーズ(モッツァレラ・リコッタなど)とは旨味の強さが全然違います。この違いの正体は「熟成」、具体的にはチーズ中の微生物と酵素が時間をかけてタン...
料理科学ノート

甘酒の甘さはアミラーゼが作る——酵素と糖の発酵科学

甘酒は砂糖を一切使わないのに、なぜあれほど甘いのでしょうか?その答えは「アミラーゼ」という酵素にあります。麹菌が産生するアミラーゼがお米のデンプンを分解してグルコース(ブドウ糖)とマルトース(麦芽糖)に変換することで、自然な甘みが生まれます...
料理科学ノート

醤油の色が変わる科学——アミノカルボニル反応と熟成のしくみ

醤油の特徴的な深い茶褐色はどこから来るのでしょうか?また醤油を加熱するとなぜ色が濃くなり、香ばしい香りが増すのでしょうか?醤油の色と香りの変化の正体は「アミノカルボニル反応(メイラード反応)」と呼ばれる化学反応で、アミノ酸と糖が加熱によって...
キャリア・転職

#30000まで揃えた料理人が選ぶ砥石。シャプトン刃の黒幕だけでいい理由、正直に話す。

研ぎ方を覚えてから、切れ味のある天井にぶつかった。角度はキープしている。バリも確認している。油性ペンで練習もした。それなのに先輩の包丁と自分の包丁を並べると、どこかワンランク違う。悔しいけど、違う。「研ぎ方の問題か」と自分を疑い続けたが、あ...
キャリア・転職

先輩に研ぎ方を聞いたら3人とも違うことを言っていたが、それは全員正しかった。

料理人2年目のある日、シェフに言われた。「おまえ、店の包丁もちゃんと研いでおけよ」。自分の包丁は買ったばかりでそこそこ切れていた。でも職場の共用包丁は全然切れない。玉ねぎを切っても刃が逃げる。キャベツが潰れる。研がないといけない——そう思っ...
1年目が知らなかった話

三元豚という豚は、いない

焼肉屋のメニューに「三元豚」と書いてあると、なんとなく安心する。高級そうに見える。スーパーの精肉コーナーでも「三元豚使用」のシールが貼られていると、ちょっと選んでしまう。でも、ちょっと待ってほしい。「三元豚」という品種の豚は、世界のどこにも...
料理科学ノート

牛乳を温めると膜ができる科学(ラクトアルブミンの変性)

牛乳を鍋で温めていると表面に薄い膜が張る——「ミルクスキン(牛乳の膜)」とも呼ばれるこの現象を経験したことがある人は多いでしょう。「なぜ膜ができるのか」「膜は取り除くべきか」「焦げ付かずに温めるコツは?」——これらの疑問はすべて牛乳タンパク...