卵のサイズ(M・L)は鶏の年齢で決まる——大きさで味の濃さも変わる

1年目が知らなかった話

スーパーの卵売り場で、「M」や「L」の表示を見て選んでいませんか?
では、そのMとLの違いは何で決まっているのか、考えたことはあるでしょうか。

答えは品種でもエサでもなく、主に鶏の年齢です。
若い鶏ほど小さな卵を産み、年を重ねるほど大きな卵を産む傾向があります。

毎日卵を割っている厨房の人間でも、意外と知らないこの仕組み。
今日はサイズの裏側をのぞいてみましょう。

📌 この記事でわかること

  • 卵のSS〜LLの区分は何で決まるか
  • 鶏の年齢と卵の大きさの関係
  • 大きい卵ほど白身が多くなる傾向
  • 「小さい卵は味が濃い」は本当か

サイズは「重さ」で6段階に分かれている

日本の卵は、業界の取引規格で、殻つきの重さによって6段階に区分されています。
SSは40g以上46g未満、Sは46〜52g、MS(MとSの間のサイズ)は52〜58g、Mは58〜64g、Lは64〜70g、LLは70〜76gです。

隣り合うサイズの差はたった6g。小さじ1杯強の差しかありません。
スーパーでよく見かけるのはMS〜Lあたりで、SSやLLは店頭ではあまり並びません。
パックにはサイズごとに決まった色のラベルが貼られることも多く、慣れると遠目でも見分けられます。

決め手は鶏の年齢だった

採卵用の鶏は、生まれて5か月ほどで卵を産み始めます。
最初に産むのは小さな卵で、体が成熟して産卵に慣れるにつれ、卵は少しずつ大きくなっていきます。
その後、1年半〜2年弱ほどで産卵のペースが落ちてくると、採卵用としての役目を終えるのが一般的です。

つまり同じ鶏舎でも、産み始めの若い鶏の卵はSやMS、盛りの鶏の卵はMやL、というように自然とばらつきが出ます。
ここで大事なのは、MとLは別の品種ではないということ。
同じ鶏舎から集まった卵を、あとから重さでふるい分けているだけなのです。

🕵️ 業界の裏側

卵は鶏舎を出ると、GPセンター(グレーディング・アンド・パッキング・センター=卵を洗浄・検査・パック詰めする施設)に運ばれます。汚れの洗浄とヒビのチェックを受けたあと、機械で1個ずつ重さを量られ、サイズごとのレーンへ仕分けされています。

大きい卵は、白身の割合が多い

卵が大きくなるとき、黄身と白身が同じ割合で増えるわけではありません。
黄身はサイズ差ほど大きくならず、増えるのは主に白身のほうです。
その結果、Lの卵はSの卵に比べて、黄身に対する白身の割合が高くなります。

製菓や調理のレシピで「卵1個」とある場合、殻を除いて50g前後のMサイズが基準になっていることが多いです。
殻つきのM(58〜64g)から殻を除くと、可食部はおよそ8割ほど。LLの卵ばかり使うと、水分が増えてゆるい仕上がりになることもあります。
厨房では個数ではなく、グラムで量るのが確実です。

💭 そういえば確かに

「卵2個」と書いてあるのに、いつもよりゆるい生地になった……という経験、ありませんか? 原因は、卵のサイズが違っていただけかもしれません。

「小さい卵は味が濃い」って本当?

小さい卵は黄身の割合が高いので、黄身のコクを感じやすい、というのは理にかなっています。
ただし、味を大きく左右するのはエサや鮮度で、サイズそのものではありません。

🌀 都市伝説チェック

「大きい卵は味が薄い」という話は、半分だけ正しい説明です。味が薄いのではなく、白身の割合が高いぶん、黄身の存在感が相対的に小さくなるだけ。栄養価も、サイズによる大きな差はないとされています。

📋 この記事のまとめ

  • ✅ 卵のサイズは殻つきの重さで6段階(SS〜LL)に分かれる
  • ✅ サイズを決める主な要因は鶏の年齢
  • ✅ MとLは別物ではなく、同じ鶏舎の卵を重さで仕分けただけ
  • ✅ 大きい卵ほど白身の割合が増える
  • ✅ レシピは個数より、グラムで量るのが確実

次に卵を割るとき、「この子は若い鶏かな、盛りの鶏かな」と思い浮かべてみてください。
卵売り場の見え方が、少し変わります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました