料理と言語 【命名の謎】「蒲焼き」はなぜ「蒲」なのか——形は消えても名前だけが生き残った、うなぎ料理の見立て うな重の「蒲焼き」という文字を、漢字のまま書ける人は少ない。「蒲」は、うなぎとは何の関係もなさそうな植物の名前だ。実はこの一文字の中に、今とはまったく違う形をしていた、うなぎ料理の姿が閉じ込められている。🍳 今回のテーマ「蒲焼き」の「蒲」は... 2026.09.23 料理と言語
料理と言語 【命名の謎】「鴫焼き」はなぜ鳥の名前がついているのか——茄子の田楽に隠された、戦国武家の幻の一品 「鴫焼き」という料理名を聞いたことがあるだろうか。茄子に味噌を塗って炙っただけの、素朴な田楽(野菜や豆腐に味噌をつけて焼く料理)の一種だ。ところがこの料理、鴫(シギ)という鳥の肉は一切使っていない。それなのになぜ、鳥の名前が茄子料理について... 2026.09.21 料理と言語
料理と言語 【助数詞】箸は「膳」、椀は「客」——器と料理をセットで数える日本語の発想 「お箸を一膳ください」とは言うのに、「お茶碗を一膳ください」とは言わない。同じ食卓の上にある道具なのに、なぜ数え方はこんなにバラバラなのだろうか。🍳 今回のテーマ「膳」「客」「献」——食にまつわる助数詞には、単なる数量ではなく「誰のために、... 2026.09.19 料理と言語
料理と言語 【命名の謎】「有馬煮」はなぜ「有馬」なのか——温泉地の山椒が、煮物の名前になった理由 兵庫県神戸市、有馬温泉。「日本三古湯」——道後温泉・白浜温泉と並び、日本最古とされる三つの温泉地のひとつに数えられる名湯だ。だが、この地名には温泉だけでなく、もうひとつの顔がある。日本料理の調理法の名前として、今なお厨房で使われ続けているの... 2026.09.17 料理と言語
料理と言語 【命名の謎】「ちゃんちゃん焼き」はなぜ「ちゃんちゃん」なのか——漁師のまかないに眠る六つの説 昭和のはじめ、北海道・石狩の浜。漁師たちは、切り開いたドラム缶を鉄板がわりにして、獲れたての鮭をその場で焼いていた。それが、今も全国の食卓に並ぶ「ちゃんちゃん焼き」の始まりだったという。だが、なぜ「ちゃんちゃん」なのか。実はこの名前、由来が... 2026.09.16 料理と言語
料理と言語 【符丁・隠語】板前の「あにき」「おとうと」——調理場だけで通じる仲間言葉の世界 「アニキ、まだ早いよ」忙しい厨房でそう声が飛んだら、それは兄弟げんかの話ではない。飛び交っているのは、食材の名前だ。🍳 今回のテーマ調理場だけで通じる「アニキ」「オトウト」——人間関係の言葉が、なぜ食材の呼び名になったのか。「アニキ」「オト... 2026.09.14 料理と言語
料理と言語 【命名の謎】「おみおつけ」はなぜ「御」が3つもつくのか——女房詞が生んだ、味噌汁の丁寧な呼び名 「おみおつけ」というみそ汁の呼び方がある。漢字で書くと「御御御付け」——敬語の「御」の字が3つも並ぶ。日本語史上もっとも丁寧な料理名だ、と紹介されることが多い。だが実は、この「三重敬語」説には根拠が乏しい。🍳 今回のテーマ「おみおつけ」に隠... 2026.09.12 料理と言語
料理と言語 【命名の謎】「しゃぶしゃぶ」はなぜ「しゃぶしゃぶ」なのか——おしぼりの水音が生んだ、日本語の登録商標 「しゃぶしゃぶ」という料理名を、擬音語だと思っていないだろうか。肉を熱い湯にくぐらせる、あの「しゃぶ、しゃぶ」という響きから生まれた自然な呼び名だと。だが実はこの名前、れっきとした登録商標だった。しかも生まれた場所も、名付けた人物も、はっき... 2026.09.11 料理と言語
料理と言語 【命名の謎】「衣被ぎ(きぬかつぎ)」はなぜ里芋にその名がついたのか——平安女性の被り物が秋の膳に残った理由 秋の食卓に、皮つきのまま蒸した小さな里芋が並ぶことがある。その名は「衣被ぎ(きぬかつぎ)」。実はこの名前、平安貴族の女性が外出のときに頭からかぶった衣装と同じ由来を持っている。🍳 今回のテーマ里芋の蒸し物「衣被ぎ」に隠された、平安貴族の被り... 2026.09.09 料理と言語
料理と言語 【当て字・難読】「南瓜」「西瓜」「胡瓜」——地名や言葉が漢字に閉じ込められた瓜の一族 「南瓜」「西瓜」「胡瓜」。この三つの瓜、実は名前の一文字目「南」「西」「胡」がすべて、方角や地名を表す漢字だ。かぼちゃは南から来た瓜、すいかは西から来た瓜、きゅうりは「胡」の地から来た瓜。同じ「瓜」の字を背負いながら、三つはまったく違う道の... 2026.09.07 料理と言語